シューベルトが曲をつけた詩人

ゲーテ

Goethe, Johann Wolfgang von

1749-1832

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ゲーテ
ドイツ古典主義からロマン主義にかけて活躍したヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ(1749〜1832)の戯曲や小説には、人間のもつ個性へのゆるぎない信念がうつしだされている。なかでも劇詩「ファウスト」(第1部1808年、第2部32年)は、有名なファウスト博士の伝説を題材にした作品で、世界文学の名作のひとつ。またゲーテは文学だけではなく、科学研究にも熱中し、「植物変態論」「光学への試論」などの著書もある。

『愛の神々を買うのは誰か』『憧れ』『憩いのない愛』『歌びと』『海の静寂』『宴席の歌』『逢瀬と別れ』『悲しみの喜び』『ガニュメード』『狩人の夕べの歌』『川辺にて』(D160,D766)『希望』『馭者クロノスに』『金細工職人』『恋人の近く』『湖上にて』『最初の喪失』『さすらい人の夜の歌(Der du von dem Himmel bist)』『さすらい人の夜の歌(Über allenGipfeln)』『去っていった人に』『宝堀り』『竪琴弾き 第1』『竪琴弾き 第2』『竪琴弾き 第3』『耽溺』『月に寄せて』(D259,D296)『トゥーレの王』『涙の中にある慰め』『人間の限界』『鼠捕り』『野ばら』D257『羊飼いの嘆きの歌』『ひめごと』『プロメテウス』『亡霊の呼びかけ』『魔王』『ミニョンに』『ミューズの子』『夜の歌』『漁師』『連帯の歌』

シェークスピア

Shakespeare, William

1564-1616

イギリスの劇作家・詩人。今日もなお、史上もっとも偉大な劇作家といえよう。その戯曲は、多様な登場人物たちの描写をとおして、人間を行動にかりたてる根源についての深い見識を呈示している。音声表現と所作の多用によって統一された審美的な効果を生みだす、詩的かつ劇的な手法の採用は、シェークスピアの非凡な功績である。また、個人的、社会的、普遍的な状況での人間の行動の根底的な動機づけを表現するために、劇中で詩を使用したことは、文学史におけるもっとも偉大な業績とされている。

(エンカルタ97より)

『酒宴の歌』D888(『アントニーとクレオパトラ』より)、『セレナード(きけきけ雲雀を)』D889(『シンベリン(Cymbeline)』より)、『シルビアに』D891(ヴェロナの二紳士』より)

シューバルト

Schubart, Cristian Friedrich Daniel

1739-91

シュワーベン生まれのロマン派抒情詩人。家庭教師、オルガニストで身を立て、のちにみずから雑誌『ドイッチェ・クローニク』を創刊した。その雑誌の進歩的な考えは、シラーなどにも影響を及ぼした。

その詩はいずれも自由への憧れを歌っている。

『ます』D550、『死に寄せて』、『私のピアノに寄せて』

シュミット・フォン・リューベック,ゲオルグ・フィリップ

1766-1849

 

名の「フォン・リューベック」が示すとおり、リューベックの出身。種々の学問を修めた後、イェーナで医学を学ぶ(当時ワイマールの詩人グループと近づいている)。のちにヨーロッパを広く旅行し、リューベックで、医師をしたり、銀行で働いたりしたが、最終的にはホルシュタインで行政事務職をする。

彼の機会詩がもてはやされた。歴史論文も残している。

『さすらい人』D493

ヘルティ, ルートヴィッヒ・ハインリッヒ・クリストフ

Hölty, Ludwing Heinrich Christoph

1748-1776

 

抒情詩人。『森の詩社(ハインブント)』のなかで、最も大きな存在。

牧師の息子。ゲッティンゲン。

春と愛についての繊細な詩が特徴的。

『墓堀人の歌』D44、『五月の夜』D194、『月に寄せて』D193、『月に寄せる嘆き』D436、『苦悩する男』D432、『ユーリアの姿を垣間見た林檎園に寄せて』D197、『溜息』D198、『恋する男』D207、『あずまや』D214、『尼僧』D208、『嘆き』D371、『ナイチンゲールの死に寄せて』D399、『春の歌』D398、『収穫の歌』D434、『至福』D433

レルシュタープ, ルートヴィヒ

Rellstab, Ludwing

1799-1860

 音楽家の家系出身。歴史作家、劇作家、オペラ台本作家、抒情詩人、音楽評論家と幅広く活躍。

 若くして『フォス新聞』のベルリンの音楽批評家として指導的に立場に立った。音楽評論は古典音楽を正当に評価しようとしたものだったらしい。また、その音楽批評は好戦的であったようだ。芸術上の問題についてはあまりにも国粋的でしばしば拘留された。

  マイアーベーアのプロシア祝典劇『シュレージエンの野営』の台本を手がける。ナポレオンをモデルにした小説もある。しかし、文学的には格別な評価はない。

 シューベルトは彼の詩のうち十篇に曲をつけた。うち一曲は未完。

(以上ディスカウ『シューベルトの歌曲をたどって』p427、ドイツシャルプラッテンレコード『シューベルト歌曲集U』(発売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ)のライナーノート(宇野道義著)を参考にした)

 『生気』、『流れの上で』D943、『秋』D945、歌曲集『白鳥の歌』D957中の7曲(『愛のたより』『兵士の予感』『春の憧れ』『セレナード』『遠い国で』『別れ』)

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